今回の話題は2つあります。
一つ目は、今、台湾で話題の、台湾南部・台南市発祥のマスコットキャラクター「菜奇鴨(ツァイチーヤー)」について。
台湾には日本と同様、ご当地マスコットキャラクターがいるのですが、そのうちの一つが「菜奇鴨(ツァイチーヤー)」です。食料品を販売する食料品市場を表す台湾語「菜市仔」と発音が似ていることから生まれた名前です。
台南市政府経済発展局に所属する政府機関で、市内にある市場の管理や指導などを行う「台南市市場処」の公式マスコットキャラクターであり、台南の伝統市場が持つ地域文化や多様な魅力を広く発信し、観光客や市民に伝統市場へ足を運んでもらうことを目的に制作され、2021年に誕生しました。見た目は擬人化されたアヒルが、市場で働く人々のエプロンを身につけた姿で、丸みを帯びた愛らしさや親しみやすい語呂合わせが特徴のネーミングから高い人気を集めているのです。

「菜奇鴨」(台南市提供)
「菜奇鴨」、2022年以降は各種イベントへの出演を通じて知名度を高め、多くのファンを獲得。そして現在では市場のイメージキャラクターにとどまらず、独自に集客力と商品価値を持つ台南発のオリジナルキャラクターへと成長しています。
先月6月20日からは、「台湾で最も美しい歴史的市場」とも称される台南市の西市場でオフィシャルグッズが発売されていて、商品はぬいぐるみやマグカップ、Tシャツ、キーホルダー、ドリンクホルダーなど27種類があるといいます。そのうち19種類は発売してすぐに完売してしまったということで、「菜奇鴨(ツァイチーヤー)」の高い人気が伺えます。
ちなみにさきほど台南市の西市場は「台湾で最も美しい歴史的市場」とも称されていると言いましたが、実は日本統治時代の1905年に建設され、100年以上の歴史を持ちます。かつては台湾南部最大の公営の市場として、多くの台南市民の暮らしを支えてきました。もっとも賑わっていた頃には、2階に高級レストランもあったといいます。そして2003年には台南市の市定古跡に指定され、その後、長年にわたる修復・再整備を経て、現在では日本の昭和時代を思わせるような歴史的景観を残しながら、現代的な市場へと生まれ変わったという歴史があります。市場内には、伝統的な布地や雑貨を扱うお店から、若手デザイナーのショップ、おしゃれな軽食屋さん・カフェまで、多彩な店舗が出店しています。また、庶民から愛されるグルメのお店も点在しているので、台南へ訪れた際はぜひ訪れたい市場となっています。
台南市経済発展局の張婷媛・局長は、このような伝統市場は買い物をする場所であるだけでなく、都市の暮らしや文化の記憶を受け継ぐ存在だと説明。市は近年、市場の環境改善や販路の多様化、テーマ性を持たせたプロモーションなどを進め、市場のイメージ刷新に取り組んできたといい、「菜奇鴨」の人気は、文化コンテンツと市場の産業を融合させることに成功した現れだと評価しています。
実は、この「菜奇鴨」には2025年に登場した弟君的存在のマスコットキャラクターがいます。その名も「夜奇鴨(イエチーヤー)」。夜市をPRするために生まれました。制作した台南市市場処によると、「夜奇鴨」の体の色は夜市の明かりをイメージした鮮やかな黄色で、夜市のにぎわいと楽しさを象徴。帽子の上に付いている「Y」は中国語の「夜」の発音「YE」からきており、夜市の隅々まで楽しさを届けるという思いが込められているといいます。また、身につけているエプロンは、夜市の屋台で働く人々が身に着ける茶色の前掛けをモチーフとし、大きく「夜」の文字をあしらうことで、夜市で働く人々への敬意を表現しているということです。
台南市は近年、夜市に対する「雑然としている」というイメージの改善に取り組み、多面的な発展を支援してきたと説明。そのうえで、「夜奇鴨」が「菜奇鴨」に続く人気キャラクターとなり、より多くの観光客を台南へ呼び込むことで、夜市経済の活性化と持続的な発展につながることに期待を示しています。
台南市市場処は今後も「菜奇鴨」の関連商品の展開を続けるほか、「夜奇鴨」のぬいぐるみも発売する予定で、7月にオンライン予約を開始し、8月から西市場で店頭販売を行うとしています。また、夏休み期間中に「夜奇鴨」が台南市内の夜市を巡回し、サプライズイベントやファンとの交流会を開催、来場者には限定グッズが配布される予定であることも発表しています。

左が「夜奇鴨」(台南市提供)
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続いての話題です。
台湾新幹線こと「台湾高速鉄道」は、日本から購入した新型車両「N700ST」を導入する予定ですが、その第1編成は今(7)月末に完成し、8月中旬に台湾へ輸送される見込みとなっています。そして交通部(日本の国土交通省に相当)鉄道局の楊正君・局長は先月末、「来年第3四半期(7~9月)」としていた営業運転への投入を混雑緩和のためにも「来年半ば」に前倒しする可能性があるとの考えを示しました。
楊・局長は、先月24日に立法院(国会)交通委員会に出席した際、与野党の立法委員(国会議員)から、「台湾高速鉄道が休日を中心に混雑が日常化している。例えば端午節の連休などで切符の入手が困難な状況に加え、自由席利用者が指定席車両で立ったまま乗車するケースが常態化し、乗車環境の悪化に対する人々の不満が高まっている。新型車両の投入が来年第3四半期以降となれば、利用者はさらに長期間不便を強いられる」といった指摘や、「通常の利用者は1日約24万人で、連休期間には30万人を超えることもあり、混雑緩和の必要性が高い」といった指摘を受けたほか、「N700STの営業運転投入を早められないのか?」との質問を受けました。これに対して楊・局長は、「台湾高速鉄道からの情報によると前倒しする可能性がある」と言及。台湾高速鉄道は「来年半ば」を目標としているとし、将来的には輸送力を約25%増強でき、車両内の混雑を改善できる予定だと述べました。
「安全」を第一に考えた上での新型車両の投入前倒しの実現、期待です。