今日のキーワードは、、、「津本喫茶部食堂」
意味:日本統治時代の1931年(昭和6年)に日本人医師の酒井寅次郎によって当時の南部・嘉義市中心部に建設された建物「津本喫茶部食堂(ツモトキッサブショクドウ)」

「津本喫茶部食堂」(写真:文化部文化資産局)
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当初は「津本写真館」という名の写真館として利用されていましたが、建設から4年後の1935年(昭和10年)12月14日には津本志津子という日本人女性が店主を務め喫茶店として開業したことから、今ではこの建物は「津本喫茶部食堂」という名前で呼ばれています。開業当時は嘉義市内でもよく知られた喫茶店の一つでした。1945年に戦争が終結し日本が敗戦すると、50年間に及ぶ台湾の日本統治時代が終わり、蒋介石率いる中華民国国民政府が台湾の接収を行いました。同時に日本人が所有していた建物や土地は接収の対象となりましたが、1908年生まれの黄文という名前の内科の医師が接収される前にこの建物を購入。そして1958年からは旧喫茶店の内部を一部改修して、診療所兼住宅として利用しました。
そして2002年になると、現在の所有者である皮膚科医の王伯智医師が所有権を取得し、2017年には「黄文医師旧宅」として嘉義市初の「歴史的建築物」に登録されました。さらに、2020年に文化資産審議会の審査を経て、歴史的建築物から市の古跡に指定されました。
「津本喫茶部食堂」は最近になり2年にわたる内装工事を経て、保存・活用事業が完了し、今月8日に一般公開されました。今後は王伯智医師の長男夫婦が運営し、コーヒーやスイーツの提供に加え、文化に関する講座や地域交流の場として活用される予定です。約100年の歴史を持つ建物が単なる展示施設ではなく、人々が気軽に立ち寄り交流できる新たな拠点として生まれ変わったのです。
修復では、日本統治時代のモダニズム建築の特徴を可能な限り残し、大正から昭和初期にかけて用いられた希少なすりガラス窓などがそのまま残されていたり、当時の壁や木造部分もそのまま生かされています。また、フィルムカメラや白黒テレビなどのレトロな品々が展示され、館内には懐かしい雰囲気が漂っています。一方で、現代的なデザインや照明を取り入れ、かつて診療所で使われていた薬品カウンターはカフェのバーカウンターへと生まれ変わるなど、歴史的な趣と現代的な美しさが調和した空間として、新たな文化交流の場となることが期待されています。