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対外関係 - 2026-08-26_蕭美琴・副総統:ドローン能力の構築は一刻の猶予も許されない 北京に台湾の防衛の決意を見誤らせてはならない

26/08/2026 対外関係
蕭美琴・副総統は、軍事、民生、産業の3つの面から、無人機能力の構築は「一刻の猶予も許されない」と強調。特に、台湾の自衛の決意について北京に誤った判断をさせてはならないとして、立法院に対し、行政院が示した実行可能な案を支持し、行動によって台湾の意志と能力を示すよう呼びかけました。(写真:Rti楊仁翔)
蕭美琴・副総統は、軍事、民生、産業の3つの面から、無人機能力の構築は「一刻の猶予も許されない」と強調。特に、台湾の自衛の決意について北京に誤った判断をさせてはならないとして、立法院に対し、行政院が示した実行可能な案を支持し、行動によって台湾の意志と能力を示すよう呼びかけました。(写真:Rti楊仁翔)

無人機、いわゆるドローンと聞いて、皆様はまず何を思い浮かべますか。台湾の人なら、夜空を美しく彩るドローンショーや空撮を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、ドローンは近年、軍事や災害救助などの分野でも大きな役割を果たしています。台湾は、無人移動体(無人ビークル)産業の発展促進に積極的に取り組んでいます。

行政院(内閣)は去年1030日、「無人移動体産業(無人ビークル産業)発展総合計画」を承認しました。今後6年間で台湾元442億元(約2208億円)を投じ、市場、技術、環境、法規の4つの面から、国内外の需要拡大による産業発展の促進、技術開発と国際連携、産業クラスターとエコシステムの形成、無人移動体に関する管理規則の整備を進める方針です。経済部は430日の行政院会議(閣議)で、無人機産業の現状と推進の成果について報告しました。

それによると、台湾製の完成品の無人機の輸出先は、チェコ、ポーランド、アメリカの順に多く、今年第1四半期の輸出額は11,500万米ドル(約182億円)に達し、2025年通年の9,300万米ドル(約1478000万円)を上回りました。台湾が世界の無人機市場に徐々に参入していることを示しているということです。

蕭美琴・副総統は、先ごろ台湾国際放送の運営母体である、中央放送局と台湾の国家通信社である中央通信社による共同インタビューを受け、「軍事」、「市民生活の安全」、「産業発展」の3つの面から、台湾がドローン開発に取り組む緊急性について説明しました。今週はその内容をお伝えいたします。

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蕭美琴・副総統:ドローン能力の構築は一刻の猶予も許されない 北京に台湾の防衛の決意を見誤らせてはならない

台湾の自主防衛と産業発展に関わる「国防自主・無人機(ドローン)システム調達に関する特別条例案」草案が、早ければ28日にも立法院(国会)の本会議で採決にかけられる見通しです。

蕭美琴・副総統は、先ごろ台湾国際放送の運営母体である、中央放送局と台湾の国家通信社である中央通信社による共同インタビューを受けた際、台湾のドローン能力の構築は「一刻の猶予も許されない」と強調しました。特に、台湾が自らを守る決意を北京に見誤らせてはならないとして、立法院に実行可能な案への支持を呼びかけ、台湾の意志と能力を行動で示すよう訴えました。

台湾のドローン能力の構築は遅すぎる、進み方が遅いとの指摘について、蕭・副総統は英語で「better late than never(遅れても、何もしないよりはまし)」と述べ、台湾の力をもってすれば必ず速やかに追いつくことができると自信を示しました。

ロシアによるウクライナ侵攻や中東での戦闘からは、無人機が現代戦における重要な非対称戦力となっていることがうかがえます。蕭・副総統は、インタビューで、「軍事」、「市民生活の安全」、「産業発展」の3つの面から、台湾がドローン開発に取り組む緊急性について説明しました。

まず「軍事面」について、蕭・副総統は、ロシアによるウクライナ侵攻以降、ドローンはウクライナの防衛を支える重要な非対称戦力となった。最近の中東での戦闘でも、ドローンが新たな作戦の重要な手段になりつつあることがうかがえると指摘、ポーランドをはじめ、ロシアに近いヨーロッパ諸国がドローンによる侵入や妨害に直面しているほか、中東の多くの国では、エネルギー施設やデータセンターがドローン攻撃を受けている。このため台湾も、自らの防衛能力を真剣に考える必要があると述べました。

蕭・副総統は、国際社会が、中国による台湾への圧力や武力による威嚇、グレーゾーンでの侵害に引き続き注目していると指摘しました。また、外国からの貴賓を迎えた際、「台湾には自国を守る決意が本当にあるのか」とたびたび尋ねられるということです。

蕭・副総統は、ロシアによるウクライナ侵攻を例に挙げ、ロシアのプーチン大統領が当初、ウクライナへの武力侵攻を決断した背景には、過信や情勢の誤認があった可能性があると指摘しました。そのため、台湾は自らを守る決意を北京政権に決して見誤らせてはならないと強調しました。

蕭・副総統は、台湾の戦略全体の柱は「Deterrence(抑止)」だとして、台湾への侵攻のハードルを極めて高くしなければならないと述べました。

蕭・副総統は、「台湾への侵攻を非常に困難なものにし、台湾を侵略しようとする者、あるいは武力で侵攻しようとする者に、そのハードルがあまりにも高いことを認識させなければならない。そして、台湾を侵攻する時機など永遠に訪れないと思わせる必要がある。このため、戦略面から見ても、ドローンによる防衛力を直ちに構築することは、一刻の猶予も許されない」と強調しました。

行政院は先ごろ、台湾元2,100億元(約1兆円)規模の「国防自主・無人機システム調達に関する特別条例案」を提出し、国軍が直ちに運用できるドローン戦力を強化する方針を示しました。しかし、国防部はこれまでにも関連予算を複数回計上しているため、改めて巨額の調達予算を組む必要があるのかと、疑問の声も上がっています。

これについて蕭・副総統は、ロシアによるウクライナ侵攻の経験から、ドローンはウクライナが非対称戦力を構築する上での鍵となっていると指摘しました。また、ドローンは絶えず改良と技術革新が進んでおり、その影響は技術の発展だけでなく、作戦全体や情報収集、補給物資の輸送、さらには戦略の策定にも及んでいると説明しました。

蕭・副総統はまた、今年4月にドイツで行われた年次多国籍軍事演習である「Combined Resolve(コンバインド・リゾルブ)」合同演習を例に挙げました。この演習では、アメリカ軍兵士3,500人で編成された機甲旅団が、仮想敵役を務めたウクライナのドローン部隊の攻撃を受け、完敗しました。

蕭・副総統は、こうした小規模な戦力で大きな戦力に立ち向かう能力、さらには新たな戦術が、現在の世界の戦略環境で見られるようになっているとの見方を示しました。

戦場以外でも、多くの国がさまざまな地域的リスクやグレーゾーンでの妨害行為に直面しています。このため、ドローン能力の構築は各国共通の認識になっているということです。

蕭・副総統は、「ロシアに近いヨーロッパの複数の国も、いわゆる『Drone Wall(ドローン・ウォール)』を構築しようとしている。これは、ロシアによる侵攻が拡大する可能性に備える重要な防衛線だ。このほか、ドイツと日本もドローンの生産と開発に向けて協力するなど、多くの国が取り組みを進めている」と説明しました。

蕭・副総統は、台湾は第一列島線の要衝に位置し、中国による絶え間ない圧力や、さまざまなグレーゾーンでの侵害、さらには武力による威嚇に直面しているとして、自らの防衛能力をより真剣に考えなければならないと強調しました。世界各国がすでに、ドローンを新たな、不可欠な軍事力と位置づけている以上、台湾はその構築をさらに加速させるべきだとしています。

「市民生活の安全」の面について、蕭・副総統は、202443日の東部・花蓮地震や、馬太鞍(ファタアン)渓と萬里渓で発生した堰止湖を巡る災害から、ドローンを活用することで救援体制をより迅速に現場へ投入できることが分かると述べました。また、工場の巡回点検や橋の安全検査などでも、ドローンを活用することで作業時間を短縮し、必要な人員を減らすことができるとしています。

「産業発展」について、蕭・副総統は、台湾のドローン産業はほかの国より出遅れたことを認める一方、台湾の産業力には強い自信を持っており、後発でも必ず追いつき、追い越すことができると述べました。ただし、そのためには予算を確保し、国内需要を生み出す必要があるとしています。

現在、中国製ドローンは大量生産と低価格を強みに、国際市場で高いシェアを占めています。

蕭・副総統は、台湾は中国に依存しない「非レッド・サプライチェーン」の一翼を担っており、そのさまざまな能力も近年、国際社会で次第に認められ、多くの海外企業から問い合わせを受けていると説明しました。海外企業も台湾への信頼に基づき、台湾には科学技術の研究開発力や、製品を大量生産する能力があることを理解しているため、生産の協力相手として台湾を選んでいるとしています。

蕭・副総統はさらに、AIの活用が広がり続ける中、ドローン分野でのAIのさまざまな応用にも国際的な期待が高まっており、こうした新たな需要に対応する上で、台湾は重要な役割を果たすことができると指摘しました。

蕭・副総統は、ドローン技術の改良は非常に速く、関連予算の成立が繰り返し遅れたり、削減されたりすれば、「台湾は1か月遅れるごとに、技術や能力を構築する機会を1か月分失う」と強調しました。同時に、台湾に対する国際的なパートナーの信頼も損なわれるとしています。

蕭・副総統は、立法院と国民に対し、党派を超えて行政院が示した実行可能な案を支持するよう呼びかけました。また、台湾のドローンは必ず世界で重要な役割を担うことができるとして、台湾の意志と能力を具体的な行動で証明するよう訴えました。

(編集:王淑卿)

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