今回は、日本の福島県の「桃」が2010年以来16年ぶりに台湾への輸出を正式に再開したことについてです。
先月17日、福島県産桃の台湾への輸出再開に伴う出発式が福島県伊達市内で開かれ、福島県国見町で収穫された旬の品種「川中島白桃(かわなかじまはくとう)」200キロを積んだトラックの出発を関係者が見送りました。この国見町で収穫された「川中島白桃」200キロは東京の豊洲市場に運ばれた後、成田空港から飛行機で台湾まで運ばれました。
今年度は国見町産の「川中島白桃」「幸茜(さちあかね)」「さくら白桃(はくとう)」の3品種、合計約4.5トンを先月17日から9月11日までに約20回に分けて台湾へ輸出する予定で、現地の百貨店などで販売するほか、試食販売などを通して福島県産桃の魅力を発信していくとしています。
実は東日本大震災が発生する前、台湾は福島県産の桃の最大の輸出先で、震災直前のピークだった2008年度に68.5トンが、2010年には18トンあまりが輸出されていましたが、2011年以降東京電力福島第一原発の事故の影響で輸入が規制されていました。その後、本格的な輸出再開に向け、福島県と、福島県の12市町村を管轄する広域JAである「JAふくしま未来」、そしてJA全農福島は2023年度から、生産園地や選果こん包施設の登録、試験輸出など、輸出再開に向けた準備を進めてきました。日本と台湾では残留農薬に関する基準が異なることから、農薬の使用履歴の確認や輸出前の残留農薬検査、病害虫対策にも取り組んできたといいます。そして2025年度には福島県の桃がタイとシンガポールなどへの輸出を試験的に行い、合計715キロが輸出されました。
そんな中、今年7月に県内で台湾の植物防疫当局による施設の最終的な検査が行われ、8月5日付で福島県福島市と伊達市の2か所の選果場が台湾向け日本産モモの輸出認定施設に追加されました。これにより、原発事故後初めて正式に福島の桃の台湾への輸出が再開されることになったのです。
JAふくしま未来園芸課の藤野喜幸園芸課長は「生産者にとって、福島のモモが海外に本格的に出荷されるのは自信につながるし、ブランド価値を高める意味でもJAとして期待が大きい」と話しています。
福島県産桃の海外販路拡大への期待が高まっています。