今日のキーワードは、「顧貓小幫手」
最初の二文字「顧貓」は「猫の世話をする」という意味で、後ろの三文字「小幫手」は「ベビーシッター」などの「世話をする人」なので、「顧貓小幫手」はいわゆる「猫シッター」という意味になります。
保護者に代わって子供の世話をする「ベビーシッター」はよく聞きますが、「猫シッター」とは一体なんでしょうか?
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台湾の離島・馬祖の5匹の猫がいる民宿は今月始め、オーナー留守中のおよそ3週間、代わりに猫のお世話を担当する「顧貓小幫手」「猫シッター」を募集する投稿をfacebookにて行いました。投稿によると、仕事内容は主に、民宿内の簡単な清掃、猫トイレの掃除、時間通りの餌やり、猫とのふれあい。期間中毎日4~5時間ほど猫と過ごし、毎日の状況を写真で報告することが求められます。ただ、給料の代わりに毎日の夕食や宿泊場所が提供されるほか、飛行機または船での長距離移動の交通費を補助するといった充実した福利厚生まで。
この投稿に対し、SNS上では一部のネットユーザーから「猫のお世話なんて夢のような仕事だ」とのコメントが寄せられました。
民宿のオーナーは、台湾の国家通信社・中央社の取材に対し、「毎年10月から馬祖は観光のオフシーズンに入り、多くの従業員が休んだり民宿の閉館期間になる」と説明。また、猫は1歳未満から18歳と年齢がバラバラで、中には高齢の猫もいるが、どの子も人に懐いているのが共通点だ。いつもだと自身が不在の際には、親族や友人に猫の食事やトイレ掃除をお願いしているが、猫の相手をする人がいないと猫たちが不安になると気づいたため、今回猫シッターをお願いすることにした、と語りました。適した人材が見つかった後は、まずは約1週間オーナーと一緒に猫の世話をしてもらい、猫シッターと猫たちが互いに慣れた後でオーナーは台湾本島に戻り休暇に入る予定だということです。
また、ワーキングホリデー形式のため、猫と過ごす以外の時間は自由に過ごすことができ、パソコンを使ったり、テレビを見たりしていいほか、バイクで島内を観光したり、船で馬祖の他の島へ旅行したりすることも可能だということです。
現時点で民宿側は、適した人材が無事に見つかったかどうかは明らかにしていませんが、台湾全土では現在3〜4世帯に1世帯が猫もしくは犬を飼育しており、台湾の新生児の数を上回るほどです。猫に関しては2023年、131万匹が飼われ、その数は2021年と比べ1.5倍だとの政府の統計もあり、新型コロナウイルスを機に急増。特に台北市や新北市のように人口密度が高い都市部では、飼育のための空間が限られているため、飼育されている猫が犬の数より多い傾向にあります。
このように台湾には、進んで長時間猫と過ごしたいと思える猫好きが多いことが予想できますから、「猫シッター」はきっと無事に見つかるでしょう。

