今日ご紹介するキーワードは「羽毛球」。
これは「バドミントン」のことです。
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台湾で人気のスポーツといえば何を思い浮かべますか?
台湾では“国民的スポーツ”といえば、まず思い浮かぶのは「野球」。
プロリーグもあって、国際大会での活躍も目覚ましく、日本から見ても盛り上がっているのがよくわかるのではないでしょうか。
続いて「バスケットボール」。NBAで台湾系アメリカ人のジェレミー・リン選手が活躍したこと、そして学校や河川敷などいたるところにバスケットコートがあって、手軽に楽しめることから都市のスポーツ文化として強く根付いています。
そんな「野球」、「バスケ」に続いて名前が挙がる台湾の人気のスポーツが「羽毛球(バドミントン)」なんです。
台湾は高温多湿で雨も多いため、屋外スポーツがやりにくい時期が長いんですが、バドミントンは屋内競技。天候に左右されず年中プレー出来ますし、コートがコンパクトなので、都市部でも限られた空間でできるということ。また野球やバスケは特に若い層の男性が中心のスポーツのイメージがありますが、バドミントンは男女を問わず、さらにはシニア世代まで楽しめることから、“週末に家族や友人と楽しむスポーツ”というレジャーの面でも人気のスポーツとなっています。
しかも、国際大会でのバドミントン選手の活躍も追い風となりました。東京オリンピックでは男子ダブルスの王齊麟(ワン・チーリン)&李洋(リー・ヤン)ペアが台湾初の金メダル、女子シングルスでも戴資穎(タイ・ツーイン)選手が銀メダルを獲得するなど、台湾のバドミントン史に新たな一ページを刻んだこともあって、バドミントン人気が一気に加速しました。
ところが、今、その人気を支える“あるもの”がちょっと大変な事になっているんです。そう、シャトルの価格!
今、バドミントンのシャトルの価格が世界的に値上がりしていて、その上昇率は、なんと驚くことに“金”よりも高いんだとか!
例えば、定番のVICTOR(ビクター)のトーナメントグレードのブルーキャップのシャトルは、昨年(2024年)は1ダース660台湾元(日本円およそ3200円)だったのが、今年(2025年)には960元(およそ4700円)と、この1年でおよそ1.5倍に!また、ヨネックスの国際大会用シャトルも今年の10月にかけて、2023年の1ダース920元(およそ4500円)から1700元(およそ8300円)以上に値上げすると発表していて、2023年からの2年間の値上げ率は驚きの93.5%にもなっています。そしてこれは、同時期の“金”の値上がり率85%を上回っているんです。これはびっくりですよね!
この値上がりの理由について、業界関係者は、「需要の急増」と「羽毛の不足」を理由に挙げています。
そして、羽毛の供給が不足している点。
実はこれにもいくつかの理由があって、バドミントンのシャトルの世界最大の生産地である中国では、近年、環境保護の規制が強まって飼育業者が減っていたり、さらにはシャトルに適した羽毛は本来2か月半以上育ったガチョウやアヒルから採れるんですが、肉の方が価値が高いため、生後1か月ほどで出荷されてしまうなどの要因があるそうです。
そこに、近年の鳥インフルエンザの世界的な流行や洪水の頻発といった自然災害も追い打ちをかけているんです。
そんな背景もあって、今やちょっとした“贅沢品”となりつつあるシャトル。
これは世界的な問題となっているので日本でも聞かれたことがあるかもしれませんが、価格高騰は止まる気配がないことから、最近ではカーボンファイバーと合成素材でできた「カーボンシャトル」が登場していて、値段も安くて丈夫ということで、こちらに切り替える人も増えています。
今、空前の盛り上がりを見せている台湾のバドミントン。
シャトルの値段が上がっても、気軽に楽しめるスポーツであることは変わりません。これからも、家族や友人と一緒に楽しめる“国民的スポーツ”として人気が続いて行きそうです。