①「9月28日」
「教師節(教師の日)」
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昨日は何の日であったかというと、台湾では祝日の「教師節(教師の日)」でした。今年は日曜日であったため今日9月29日が振替休日で、3連休の最終日となっています。教師節は今年から新たに追加された祝日で、来年は9月25日金曜日の中秋節と9月28日月曜日の教師節を合わせて4連休となっています。
教師節とは「教員に対し過去1年間の指導に感謝するための節句」で、古代中国の教育の先駆者とされる孔子の誕生日にちなみ、台湾では毎年9月28日と定められています。
台湾の各自治体では教員への感謝を込めた奨励金を支給します。今年は台北市の金額が最も高く、2000台湾元(約1万円)相当の商品券を支給したということです。
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②「3万6000人」
台湾時間の今月11日にアメリカメジャーリーグのチーム「ニューヨーク・ヤンキース」の本拠地で開催された「台湾デー」に集まった人数
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今回の「台湾デー」では、台湾の知名度を高め、台湾とヤンキースファンの距離を縮めることを目的に企画され、多くの現地ファンの関心を集めました。台湾からの野球ファンたちも駆けつけ、スタジアム内外では、中華民国の国旗が掲げられたほか、アルファベットで「TAIWAN」と文字が入り背番号には台湾で幸運の数字とされている「8」が刺繍されたヤンキースの特別デザインのユニフォームやキャップを身に着ける姿に注目が集まりました。また、台北市の公式マスコットキャラクター「熊讚(英語名:Bravo)」もスタジアムに登場し、会場を盛り上げました。
この日の台湾デーは、ヤンキースが本拠地でデトロイト・タイガースと対戦する中で行われ、ニューヨーク・ヤンキースによる史上初の「台湾デー」となりました。
スタジアムに3万6000人が集まっただけでなく、テレビやネット上で数百万人が観戦するメジャーリーグの試合、強力な「TEAM TAIWAN」の一体感が生まれ、台湾の熱意が大いに示されました。
主催者側は、参加者や協力団体、報道関係者の支援に感謝の意を表した上で、今後も台湾とアメリカ間の文化交流の促進に努め、国際舞台における台湾の知名度を発信する活動を継続していく意向を示しています。
メジャーリーグでは、試合期間中に各民族やコミュニティを称えるイベントが度々行われます。その中で最近では、台湾デーがメジャーリーグの複数の球場で開催され話題となっています。これまで3年連続で、メジャーリーグ「アスレチックス」の本拠地で開催、今年は台湾プロ野球のチアリーダーが出演し台湾独特の応援文化を披露しました。今年は他に、「ロサンゼルス・エンゼルス」や、「ニューヨーク・メッツ」の本拠地でもそれぞれ開催され、大きな話題となりました。

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③「8キロ」
今年9月9日に発足したスポーツ関連の行政を担う新たな省庁「運動部(スポーツ省)」の初代部長・李洋さんが達成した減量の数値
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台湾では、9月9日は「国民体育日(スポーツの日)」とされており、そんな台湾のスポーツ界にとって重要な日に、「運動部」は発足されました。その前身である教育部(教育省)体育署から格上げされた政府機関で、政府は1年以上をかけて設立準備を進めてきました。
今回、大臣にあたる初代運動部長に選ばれた李洋さんは元バドミントン選手で、今年30歳になったばかりです。しかも、2021年の東京オリンピックと2024年のパリオリンピックに男子ダブルスで出場し、2大会連続金メダルを獲得した輝かしい経歴の持ち主で、昨年末、29歳で現役引退しています。また、2022年から北部・桃園市の国立体育大学で副教授(准教授)も務めている、実力とマルチな才能を兼ね備えた人物です。
このように積極的に様々なことに挑戦している李・初代運動部長を、運動部発足の除幕式で見かけた頼清徳・総統はこんなことを明かしています。「李・部長が以前より若々しく見えた。その理由を尋ねると、オリンピック金メダリストでありながら、スポーツの現場を離れた後に体重が増えるとイメージが損なわれるため、自己管理を厳しくし、以前より体重を“8キロ”減らしたからだと教えてくれた」と明かしています。頼・総統はそんな高い自己管理能力を称賛し、「だからこそオリンピックで二度も金メダルを獲得できたのだ」と語っています。
また頼・総統によると、行政院長の卓栄泰・院長が李・部長に部長就任を依頼した際、李・部長は「本当ですか、それとも冗談ですか?」と一言だけ尋ねたそう。卓・行政院長は「もちろん本当です」と答え、運動部でスポーツ選手のために尽力することを期待したということです。その上で李・部長は家族と相談した結果「引き受ける」と返答したことも頼・総統は明かしており、数千万台湾元のスポンサー契約を手放し、数年しか務められないうえに重い責任と立法院での答弁も伴う部長職を引き受ける決断は容易ではなかっただろうと振り返りました。
運動部の業務として今後、国民全体のスポーツ普及や優れたスポーツ人材の育成、選手の権益保障、国際大会への積極的な参加、大型の大会の招致推進、スポーツ産業推進などを担うことになっています。
李・部長は「自身の行政分野における経験が十分ではない」と懸念する声が外部にあることを認めたうえで、「一人で背負うものではない。専門的なリーダーシップとチームの運営で着実に前進し、理想を紙の上の空想に終わらせず、現実に根付かせることを目指す」と強調しています。頼・総統が掲げるスポーツ政策の公約を実行に移すため、すでに重要方針を掲げているほか、現役を引退した選手への支援に意欲を示し、引退選手により多くの活躍の場を提供したいとしています。
昨年までプロスポーツ選手として世界で活躍していた李洋・部長、引退後更に8キロ減量するという姿勢からも、精神面の強さを感じます。
今後の更なるご活躍に期待です。

(左から)卓栄泰行政院長(首相)、頼清徳総統、李洋初代部長(大臣)