このコーナー、いつもは今年放送の台湾ドラマをご紹介しているのですが、今回は私が最近見てとても良かった台湾ドラマを「今年放送」のものではないのですがお伝えしたいと思います。
その作品、名前を中国語で「聽海湧(英語:Three Tears in Borneo)」といいます。
昨年(2024年)に台湾の公共テレビで放送された太平洋戦争末期を舞台にした戦争ドラマです。なんと台湾国際放送のパーソナリティー・馬場克樹さんも重要な役として出演されており、画面上での馬場さんの魅力も堪能できます。
ストーリーを簡単に話すと、日本軍は戦時中に捕虜として捕らえ労働させた連合軍兵士たちの監視を、当時植民地であった台湾から連れてきた青年らに任せていました。その場所はボルネオ島。しかし、戦争が終わり連合軍が捕虜収容所を接収した際、深い溝に42人の遺体が横たわっているのが発見され、捕虜の大量虐殺の事実が明らかに。結局台湾人の監視員に疑いの目が向けられてしまいます。大部分はまだ20代前半の監視員たち、彼らはなぜ大量虐殺に加担してしまったのか?そして彼らの行方はどうなってしまうのか?という内容です。
戦後のシーンでは日本からやってきた三人の弁護士が裁判などで活躍するのですが、そのうちの一人が馬場さんで、弁護団団長を演じられています。
作品名「聽海湧」の名前の由来は、「海湧」を台湾語で言うと「波」の意味になることから、劇中の主人公である、一人の台湾人監視員がボルネオ島の波の音を聴くことで遠く離れた故郷・台湾を思う気持ちを象徴しています。
セリフは、台湾語、英語、日本語のほか、現地の原住民族の言語「イバン語」も少し登場し、出演者たちは役作りのために言語訓練に取り組んだだけでなく、過去の事実に相違が生まれないよう製作者側は歴史的背景を念入りに研究したと紹介されていました。
現代に撮影されたことを忘れてしまうかのような、当時の様子を忠実に再現したドラマのセットにも注目です。
『聴海湧』の中で歌詞のある曲は流れず、その代わり劇中やエンディングにベルギーの作曲家トーマス・フォグネン氏と台湾の高雄市立交響楽団が共に制作した歌詞のない音楽が流れます。全編で使用された楽曲は合計86曲にのぼり、そのどれもが役者の繊細な感情をさらに引き出し、視聴者を物語の世界へといざないます。
今日はその中の、《Opening Titles》を皆さんにお聞きいただきましょう。
