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馬場克樹の「とっても台湾」(爸爸桑的「非常台灣」)-2025-11-09-台湾で発生したアフリカ豚熱:迅速な対応と今後の見通し

中央社の写真よりコラージュ
中央社の写真よりコラージュ

<オープニング>

    • 「滷肉飯/魯肉飯」「小籠包」「排骨便當」「肉圓」。いずれも台湾を代表するグルメであるが、その共通点は豚肉を使った料理であること。その台湾で先月、年間2,000億元(豚肉の生産額:886億元+加工・飲食・輸出などの関連産業:1,000億元以上)にも上る豚肉の産業を大きく揺るがす出来事が発生した。

    • 10月中旬〜下旬に、台中市の海岸に近い梧棲区の養豚場で多数の豚の死亡が確認され、PCR検査でアフリカ豚熱ウィルス(ASF)陽性反応が認められ、その後ウィルスの分離で感染が確定したと政府(農業部・アフリカ豚熱中央災害対策センターから公表され、国際獣疫事務局(WOAH)にも本件は通報された

    • 感染が確認された現場では、直ちに約195頭の豚が感染拡大の予防措置的に殺処分され、現場周辺の半径3kmに防疫管理区域が設定されるなど、移動制限や消毒措置が採られた。台湾全土で豚の移動・食肉処理の禁止(当初5日間の措置、その後さらに10日間延長)のほか、これに関連する感染の有無の検査や感染を封じ込めるための防疫対策が実施されている。

    • 当該養豚場の一部でウィルスDNAが検出され続けていたことが報告され、現地での清掃・消毒や管理体制に不備があった可能性や事例発生後の台中市政府から中央政府である行政院への報告が遅れた問題も指摘されている。

    • 本日は台湾で発生したアフリカ豚熱感染の現状(10月29日時点)と、政府の対応、今後の影響について深掘りし、何が問題なのかを明らかにしていきたい。

<第1セクション:アフリカ豚熱(ASF)とは?>

  • 台湾では、今から28年前の1997年3月、豚を中心とする大規模な口蹄疫(FMD)が流行したことがある。米国の国立バイオテクノロジー情報センターの研究報告によれば、1997年3月から7月にかけて台湾の国内で発生した口蹄疫では、6,000箇所余りの養豚場での感染が確認され、385万頭以上もの豚が殺処分された。

  • しかしながら、その後は防疫に努めた結果、台湾の政府は2020年に「FMD非ワクチン使用地域」として、国際獣疫事務局(WOAH)から登録を受けるに至った。安全な豚肉を提供する国の証左として「本店使用台灣豬」のステッカーを貼る店も多かった。家畜である豚の防疫に関してはその後ずっと優等生だった台湾で、今回アフリカ豚熱が発生したことは、少なからず社会の動揺を引き起こした。

  • ここでアフリカ豚熱について説明しておきたい。アフリカ豚熱(African Swine Fever, ASF)とは、豚やイノシシのみが感染するウィルス性の家畜伝染病であり、人間には感染しないことがわかっている。原因となるウィルスは、非常に強い感染力と環境耐性を持つ。高温にも冷凍にも強く、血液や肉製品、飼料、さらには靴底や車両などを介しても感染が拡大することがある。

  • 感染した豚は高熱、出血、食欲不振、運動失調などを示し、致死率はほぼ100%に達する。ワクチンや治療法は現在のところ実用化されておらず、発生が確認された場合は、殺処分と移動制限による封じ込めが唯一の防疫手段とされる。

  • この病気は1920年代にアフリカのケニアで初めて確認され、その後ヨーロッパ、ロシアを経てアジアに拡大。2018年には中国で大規模な流行が発生し、数千万頭規模の豚が殺処分され、世界の豚肉市場に深刻な影響を及ぼした。ベトナム、フィリピン、韓国、日本(野生イノシシ)などにも波及し、いまやアジア地域全体が常在化リスクを抱える状況にある。

  • アフリカ豚熱ウィルスは人への感染リスクはないものの、汚染された食品や物資を経由して豚に感染を広げる可能性があるため、観光客などによる肉製品の持ち込みは各国で厳しく規制されている。台湾では違反すると、初犯が20万元、再犯では100万元もの高額な罰金が課せられる。にもかかわらず、感染地域からの肉製品の持ち込みは、モラルの問題もあり、水際で防ぎ切れていない現状がある。

  • ここで告五人|Accusefiveさんの演奏で『在這座城市遺失了你(この街で君を失くした)』をOA。この街で失くしたもの、それはフレッシュなポーク。

<第2セクション:感染ルートはいったいどこに?>

  • 2025年10月29日時点では、今回の台中でのアフリカ豚熱の感染源はまだ確定されていない。台湾の政府は「最も可能性が高い経路」として、感染地域から違法持ち込みされた豚肉製品経由で、「廚餘(生ごみ)」を介して養豚場にウィルスが入った可能性を指摘し、慎重に調査を進めている。

  • 台湾では2021年から農業委員会(現・農業部)の法令により、原則として「生ごみを豚に飼料として与えることは禁止」されているが、例外的に一定条件(養豚場規模・政府からの許可・熱処理済みの生ごみ)を満たす養豚場においては、地方政府が認めた場合には使用可能な制度枠が存在している。

  • すなわち、200頭以上の豚を大量飼育している養豚場において、地方政府の許可を得て、90度以上で1時間以上撹拌して熱処理された生ごみであれば、餌として豚に与えることができるというものだ。実はこれが抜け道になったのではないかと言われているのだ。

  • この例外措置の適用は、地方政府によって対応がまちまちであった。例えば、高雄市は生ごみの家畜への投与を全面禁止していたのに対し、今回事例が発生した台中市では、この例外措置を認めていた。ただし、10月22日以降、台中市も含む台湾全土で生ごみを家畜に餌として与えることは禁止となっている。

  • そして、捜査によれば、当該養豚場では、処理済みではあるものの、生ごみを豚の餌に使っていたことが確認された一方、同養豚場は、生ごみを飼料として与える際に必要な報告を怠ったほか、獣医資格がない者に連絡した上で自ら豚に薬の投与を行っていたなど、法令違反の疑いがあるという。このようなことから、違法に持ち込まれた豚肉製品→家庭や飲食店の生ごみに混入→十分加熱されないまま養豚場に与えられる→豚に感染拡大というルートが最も疑われている。

  • また、海外の感染地域からのアフリカ豚熱ウィルスが付着した車両、器具、人が(たとえば港で積み込まれた冷凍肉の残りかす、感染地域の養豚場などの土の靴底への付着など)養豚場を訪れた際に持ち込まれ、接触などで感染を広げた可能性も併せて指摘されている。幸い、10月29日現在、陽性反応が出た養豚場以外の養豚場、食肉処理場、運搬車両における感染は確認されておらず、この点は安心材料ではある。

  • 現在、養豚場での豚への給餌管理(飼料としていた生ごみが果たして適切に熱処理がなされていたか否か)、人や車両の出入りなどを含めた全面的な防疫の調査が進められている。最終的に感染ルートを確定するにはウィルス系統の解析や違法持ち込み品の特定など、さらなる疫学的証拠が必要となるが、その解明は容易ではない。

  • ここで娃娃(金智娟) |WaWaさんの歌で『飄洋過海來看你(海を越えてあなたに会いに来た)』をOA。そう、アフリカ豚熱のウィルスは海を越えてやって来た。でも、台湾の豚さんには会いに来なくても良かったのに…

<第3セクション:市民生活への具体的な影響>

  • 冒頭で述べたように、台湾では10月22日から豚の移動や食肉処理の禁止措置が取られた。フレッシュな豚肉の供給が滞り、豚肉価格の上昇懸念が生じている中、彰化県では名物の「肉圓(バーワン)」を販売する有名店が10月26日、翌日からの一時休業を発表したと、中央社が10月27日付で次のように報道している。

  • 「(豚の移動や食肉処理の)禁止措置は27日までの(5日間の)予定だったが、(15日間の)ウィルスの潜伏期間などを鑑み、11月6日まで延長された。彰化県の「肉圓」店の多くは、食肉処理をした後、冷凍や冷蔵をしていない豚肉を使用するという。有名店の一つ「阿璋肉圓」は報道陣の取材に対し、店にある肉がなくなるため、27日から休業する予定だと言及。営業再開は早くても11月8日になると話した。」ここは私も彰化を訪れる際には、必ず立ち寄る名店中の名店。

  • 台北市内の豚肉100%のハンバーグステーキが売りの私の友人の店「名古屋台所」でも、フレッシュな豚肉が市場から仕入れができないことを理由に、同じく当面の間、営業を停止することにした。

  • 豚肉の大手の卸業者である「台湾精糖」は、同社の倉庫には1か月分の冷凍豚肉の備蓄はあると発表しているが、彰化県の「肉圓」店や台北市の私の友人の店「名古屋台所」など、フレッシュな精肉をどうしても必要とする店は休業しているところも少なくない。これは料理のクオリティーにこだわった誠実な対応であるといえよう。

  • 一方、異なる道を選択した店もある。台北市内で沖縄そば店「余記」を営む別の友人は、豚肉が仕入れられない状況を変化するチャンスと捉え、鶏肉と牛肉をトッピングした「新沖縄そば」を臨時メニューとして取り入れて、営業を続けている。沖縄そばと言えば、骨付き豚肉のソーキそばが定番であるが、これは逆転の発想ともいうべき対応で、台湾の人々のプラス思考、タフな一面を如実に体現している。これはこれで天晴れと言うしかない。

  • とはいえ、当該事案は国際獣疫事務局(WOAH)への報告対象でもあり、今後対外的な輸出規制や貿易相手国側の輸入制限が発生するリスクがある。過去のアジアでのアフリカ豚熱が拡大した際には、輸出制限や多大な経済損失が出ている。台湾の当局が、新型コロナを封じ込めた時のように、速やかな対策と情報開示を徹底することで、影響の拡大が最小限に抑えられ、2000億元の豚肉産業が守られることを期待している。そして、台湾の皆さんが安心してフレッシュな豚肉が食べられる日が、一日も早く戻りますように。

  • 本日お別れの曲は、台湾の平安無事を祈る歌、滅火器|Fire EXさんの演奏で『晚安台灣(Good Night Formosa!)』をOA。

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