<オープニング>
「滷肉飯/魯肉飯」「小籠包」「排骨便當」「肉圓」。いずれも台湾を代表するグルメであるが、その共通点は豚肉を使った料理であること。その台湾で先月、年間2,000億元(豚肉の生産額:886億元+加工・飲食・輸出などの関連産業:1,000億元以上)にも上る豚肉の産業を大きく揺るがす出来事が発生した。
10月中旬〜下旬に、台中市の海岸に近い梧棲区の養豚場で多数の豚の死亡が確認され、PCR検査でアフリカ豚熱ウィルス(ASF)陽性反応が認められ、その後ウィルスの分離で感染が確定したと政府(農業部・アフリカ豚熱中央災害対策センター)から公表され、国際獣疫事務局(WOAH)にも本件は通報された。
感染が確認された現場では、直ちに約195頭の豚が感染拡大の予防措置的に殺処分され、現場周辺の半径3kmに防疫管理区域が設定されるなど、移動制限や消毒措置が採られた。台湾全土で豚の移動・食肉処理の禁止(当初5日間の措置、その後さらに10日間延長)のほか、これに関連する感染の有無の検査や感染を封じ込めるための防疫対策が実施されている。
当該養豚場の一部でウィルスDNAが検出され続けていたことが報告され、現地での清掃・消毒や管理体制に不備があった可能性や事例発生後の台中市政府から中央政府である行政院への報告が遅れた問題も指摘されている。
本日は台湾で発生したアフリカ豚熱感染の現状(10月29日時点)と、政府の対応、今後の影響について深掘りし、何が問題なのかを明らかにしていきたい。
<第1セクション:アフリカ豚熱(ASF)とは?>
<第2セクション:感染ルートはいったいどこに?>
<第3セクション:市民生活への具体的な影響>