本日は、台湾と日本の歴史にまつわるドラマをご紹介いたしましょう。10月18日、台湾版エミー賞”と呼ばれ、台湾の優れたテレビ・ラジオ番組や、その制作者に贈られる第60回「金鐘獎(ゴールデンベルアワード)」が行われました。
そして、テレビ部門で14部門にノミネートされ、ミニドラマ賞、ミニドラマ監督賞、脚本賞、助演男優賞、編集賞の5部門に輝いたのが、台湾の公共放送、公共テレビ(PTS)のドラマ『聴海湧(邦題:波の音色)』です。
各番組でもご紹介してきましたので、ご存知のリスナーの方もいらっしゃると思いますが、この『波の音色』は、日本軍の軍務に参加した台湾籍日本兵を取り扱った作品です。日本統治時代、第二次世界大戦中、当時の北ボルネオ(現ブルネイ)にあった日本軍の戦争捕虜収容所の、台湾籍の捕虜監視員をめぐるストーリーです。日曜日の「とっても台湾」のパーソナリティー、シンガーソングライターで俳優の馬場克樹さんが、戦後、臨時軍事法廷で日本兵の弁護を担当する弁護団の団長役を演じています。
現在、公共テレビ(PTS)では、ゴールデンベルアワード5部門受賞を記念し、映像プラットフォーム「公視+(ptsplus.tv)」で、『波の音色』の無料視聴を行っています。台湾以外の国ではもちろん、台湾内でもほとんど言及されてこなかった人々の歴史、ある台湾人の視点からの第二次世界大戦について知っていただくとともに、大国に翻弄された多くの台湾人の悲哀、アイデンティティのゆらぎが感じられます。「公視+」は会員登録は必要ですが、台湾華語と英語の字幕つきでご覧いただけます。ご興味のある方はぜひご覧ください。