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台湾ミニ百科 - 2025-11-05-【台南市で75年の歴史をもつ映画館「全美戲院」について】

先日、私は、台湾南部・台南市の中心部・中西区に位置する75年の長い歴史を持つ映画館「全美戲院」に行ってきました。この映画館、1950年の創立から現在まで、家族2代にわたって経営されてきたのですが、ネットの普及という時代の移り変わりにより、経営不振のため今年3月2日に映画館としての役割を一度終えています。そして現在はその空間を各種団体が何かイベントを開催する時のスペースとして貸し出す、という多目的文化空間として活用されており、再び映画館として再出発するため新たな道を模索中です。

実は「全美戲院」の社長に当たる吳 俊誠(ご しゅんせい)・総経理にインタビューさせて頂き、その歴史、魅力をたっぷりと伺ってきましたので、皆さんにお伝えします!

吳・総経理によると、「全美戲院」は母親の兄(叔父さん)が1950年に設立した「第一全成戲院」を前身とします。「第一全成戲院」は新作を上映する映画館であったのですが、その後“経営権”を吳・総経理のご両親に譲渡し、ご両親は名前を現在の「全美戲院」へと改めました。1971年に、経営方針を「新作の上映」から「1枚のチケットを購入するだけで古い映画2本を鑑賞できる映画館」に転換。この経営スタイルが功を奏し、映画館が急増し競争が激しさを増した1970年代を生き残ることに成功。

くの人々に台湾や海外の数々の映画を届けてきました。1970〜1980年代は、まさに全美劇院の最盛期となり、同時に台湾映画界の黄金時代でもありました。台湾はこの時期に経済が発展していき、それに伴って国民の生活水準も向上し、お金を娯楽に使う余裕ができたことで、映画鑑賞は人々の日常的なレジャーとして広く浸透していったのです。

この全美映画館のように、新作映画ではなく封切りされた映画を上映するいわゆるセカンドラン映画館は多い時で台湾全土に700軒あったのですが、その第一号が台南市の「全美戲院」なのです。ちなみに、今年3月に「しばらく映画館としての役目をお休みする」と発表したことにより、いまだに営業中のセカンドラン映画館は現在、台北市と台中市に一軒ずつのみとなっています。Netflixといった動画配信サービスの筆頭により、元々低価格で複数の映画を観られることを売りにしていたセカンドラン映画館の経営は厳しいものとなっているのです。

実は、「全美戲院」の大きな特徴の一つとして「映画上映」以外に「公演を行える舞台」も備えられています。そのため、過去の映画上映のほか、歌仔戯(台湾オペラ)や布袋戯(ボテヒ)(台湾の伝統的な人形劇)、さらにはバラエティーショーなど、さまざまな舞台公演が行われてきました。1970年代の最盛期には、毎日2,000〜3,000人が行列を作り、入場の際に並ぶほどの賑わいを見せていました。

では現在はどんなイベントの空間として活用されているのでしょうか?

吳・総経理によると、トークショーやダンスの舞台、映画祭、時にはプロポーズや表彰式といった特別なイベントの会場として利用しているそうです。

「全美戲院」の特徴の二つ目として、昨年公開された台湾と日本のある共同制作映画のロケ地に抜擢されたことだ、と教えてくださいました。その映画の名前は『青春18×2 君へと続く道』。日本映画「新聞記者」「余命10年」を監督したことでも知られる藤井道人監督が手がけた実話を元にしたラブストーリーで、NHK連続テレビ小説で主演を務めたこともある日本の女優、清原 果耶さん演じる主人公の「アミ」と、台湾の俳優、許光漢(シュー・グァンハン)さん演じる「ジミー」が共に映画館で映画を見るという場面に「全美劇院」が登場します。

私が行った際には、どの座席に2人が座ったかを教えてもらい、実際に座って映画の世界に浸かることが出来ました。今でも一人50台湾元(約250円)払うと、中に入って見学できます。映画館の中はとても広く、スクリーンの大きさに圧倒されただけでなく、中にトイレがあり、75年の歴史を感じさせないほど清潔に保たれていたことにも驚きました。そんな「全美劇院」が出てくる『青春18×2 君へと続く道』、興味のある方はチェックしてみて下さいね。

「全美戲院」の特徴の三つ目は、台湾で唯一、今もなお手描きの映画看板を使用している映画館なんです!「全美劇院」の前には大きな手書き看板が4つほど飾られていたのですが、これを50年以上書き続けてきた方が顏振發さんという台湾人の男性。「全美戯院」の看板を制作から設置まで一手に引き受け、時には1ヶ月に100から200枚も描き続けたそう。私も目の前で看板を見ましたが、とても大きな看板ながらも細かい部分まで鮮やかな色使いにこだわっており、一枚一枚丹精に作り上げられたことが伝わってきました。全美戯院では手書き看板の絵が描かれた絵葉書も売られていて、これまでどんな看板が世に生まれてきたのかをここでも知ることができます。

また、顏さんに密着した世界初のドキュメンタリー映画、その名も『顔(イェン)さんの仕事』が昨年日本各地で公開されています。1時間ほどの日本映画で、どのように製作しているのかを知ることができます。

顏さんは昨年、映画事業に生涯をかけて貢献した方々を表彰する「台北映画祭 終身貢獻獎」を受賞したことでも話題になったのですが、現在は全美劇院との協力関係を中断しています。今は手書き看板の制作をしておらず、個人での油絵創作に専念しているということです。

「全美戲院」の特徴四つ目は、家族経営の映画館が、世界的に有名な映画監督、アン・リーを生み出したことです。アン・リー監督とは「アカデミー監督賞」を2回獲得するなど世界で活躍する台湾最南端、屏東県生まれの映画監督で、中学・高校生時代によく「全美戯院」を訪れ映画を見ていたそう。

吳・総経理は最後に、全美戲院は、アン・リー監督のような映画界の先駆者をはじめ、多くの映画を学ぶ若者たちにも寄り添い、共に歩んできた、優れた「表現と発信の場」だ。多くの小規模な団体やクリエイターがここから光を放つことができると話してくれました。

現在は常時映画を上映しているわけではありませんが、最新の上映作品やイベント情報は公式ウェブサイト(今日全美戲院)や公式Facebook(今日全美戲院)でご確認いただけます。

台南市の歴史と共に歩み、今は時代の流れに合わせて新しいトレンドを取り入れながら進化し続ける「全美戲院」についてでした。

写真:豊田楓蓮

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