①「世界10位」
スイスに拠点を置くビジネススクール、IMD(国際経営開発研究所)が発表した2025年の世界デジタル競争力ランキングの台湾の順位
**
2025年世界デジタル競争力ランキングは世界69の国・地域を対象に、ビジネスや行政プロセス、社会変革につながるデジタル技術の導入・活用状況を国・地域ごとに計61の指標をもとに評価し、比較するもの。台湾の10位という結果は、前年より1つ下がったものの、61の指標ごとに見てみると、デジタル競争力に影響を与える「知識」と「将来への準備」という項目では前年と比べそれぞれ三つランクを上げ、それぞれ16位と3位に。「IT&メディアの株式時価総額」では1位だった他、「企業の俊敏性」「R&D(研究開発)への公的支出」「人口当たりの研究開発人材数」で2位となり、計8つの指標で上位3位に入り、高く評価されました。特に「企業の俊敏性」、つまり「企業の反応が速く、柔軟性が高い」ことについては、台湾の中小企業中心の経済形態が持つ柔軟性と迅速な対応力が強みであることが示され、また、「研究開発への公的支出」については、台湾では「デジタルトランスフォーメーション(つまり、デジタル技術の活用を通して生活やビジネスを変革すること)」の推進に補助金を支給し、技術革新を進めていることが成果を上げていると言えます。
台湾には、デジタル化の発展加速を進めるため2022年に設置され、デジタル関連事務を管轄する世界でも珍しいデジタル化に特化した省庁「数位発展部(=デジタル発展省)」があります。実は日本のデジタル庁を参考に組織されたとされており、ここからも、台湾がデジタル先進国としてこの分野に力を入れていることが分かります。初代の部長(大臣)を務めたのは、2016年10月、当時35歳という史上最年少の若さで行政院(日本の内閣に相当)に入閣し、全国民にマスクを公平に配布するシステムをわずか3日で構築して台湾におけるコロナ感染拡大防止に大きく貢献したことで日本でも一躍有名となったオードリー・タン氏。オードリー氏は当時、台湾の「デジタル発展省」の核心となる理念を「全国民のデジタル強靭性」だとし、社会のデジタル化の加速、スマート国家のビジョンの実現のため尽力してきました。
今回の2025年世界デジタル競争力ランキングの結果ですが、他の国に関しては、日本が30位、韓国が15位、中国が12位、香港が4位で、1位はスイスでした。
デジタル発展省は、今回のランキングで指摘された「女性研究者の割合」や「高等教育における教員と学生の比率」などの弱点について、各関係機関が連携して改善に取り組んでいくとしています。
****
②「457トン」
今年1~9月の台湾産バナナの日本への輸出量
**
農業部の統計によると、近年、台湾産バナナの日本への輸出量が大幅に減少しています。2020年に過去最高の3050トンに達しましたが、その後減少に転じ、2022年には、わずか1541トンにとどまりました。そして今年(1月から9月まで)はわずか457トンにとどまっています。457トンというのは前年同期(1251トン)と比べて3分の1以下の量です。金額に換算すると、今年1〜9月の台湾バナナの日本輸出額は約2519万台湾元(約1億2,000万円)で、昨年同期の約6506万台湾元(約3億1,600万円)に比べて3分の1近くにまで落ち込んでいます。
主な要因は、台湾産バナナの価格が高めであることに加え、円安で日本市場での価格競争力が低下したことや、日本への輸出量が最多のフィリピン産バナナとの価格競争が影響しているといいます。
それでも日本は、台湾バナナの最大の輸出先であり、日本への輸出を推進している台湾、最近約10トンのバナナを新たに茨城県水戸市、土浦市、笠間市など県内18の市町村に輸出することが明らかに。これは、台湾人の観光ニーズを調査したり、笠間市の魅力を発信する拠点にしたりするために、台湾に交流事務所を設置している茨城県笠間市が2019年7月24日に農業部農糧署と「食を通じた文化交流と発展的な連携強化に関する覚書」を締結し、それから7年間、茨城県内の各市町村がバナナ、パイナップル、マンゴー、文旦などの高品質な果物を台湾から共同購入し、県内の小・中学校の学校給食として提供していることによるものです。
今年茨城県の学校給食に供給する果物として、パイナップルとマンゴーに続き台湾バナナがトリを飾り、18の市町村が約10トンのバナナを共同購入することになっています。そして合計223の小・中学校または給食施設に提供され、約6万8千人の生徒が味わう予定です。農業部は、バナナの日本への輸出量が減少する中で、日本の生徒が学校給食を通じて台湾バナナの認知を高めると同時に好きになってもらい日本市場の需要拡大につなげたいとしているほか、今後も日本の地方自治体や教育機関との協力を一層深めることで、台湾農産物の日本市場における長期的な発展を目指したいと明かしています。
笠間市では今月6日の学校給食で早速、台湾バナナが提供された他、台湾風ガパオライスや豆乳味噌汁が提供されました。笠間市によれば、この献立は台湾と笠間市の栄養士が1品ずつ料理を提案し、共同で作成したもので、初の試みだということです。この日、台湾側の学校給食は笠間市の特産物である栗が提供されています。
また、ひたちなか市のある学校では同じ日、この日のために台湾から船便で届いたという甘くて濃厚な台湾バナナの他、台湾夜市の定番グルメ「ジーパイ」をイメージし子どもたちが食べやすいサイズに作られた「台湾風鶏肉のから揚げ」を提供。このように、「食を通じた文化交流と発展的な連携強化に関する覚書」に基づき、茨城県内の市町村では毎年11月に台湾にちなんだ給食を提供しています。
皆さんも、台湾バナナを見かけた際はぜひ、その甘くて濃厚な味を味わい、台湾を応援して下さいね。