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馬場克樹の「とっても台湾」(爸爸桑的「非常台灣」)2025-12-07-同根生(A_Root)──ニューアルバム『不小心降臨了』総覧

同根生のメンバー。同根生リーダー楊智博氏提供。
同根生のメンバー。同根生リーダー楊智博氏提供。

<オープニング>

  • 台北・大稻埕の「島語音樂會」で共演した宜蘭出身バンド・同根生(A_Root)は、伝統楽器と現代的サウンドを融合する異世界・民族融合バンドである。202510月、新作アルバム『不小心降臨了(不注意に降臨)』をデジタル先行でリリースし、11月にはCDも発売。前作から約3年ぶりのフルアルバムで、プロデューサーは前作に続き金曲奨受賞者の柯智豪(Blaire Ko)さん。同根生がこれまで扱ってきた妖怪や怪異といった民間伝承の外的存在から一歩進み、今回は現代社会が人の内面に生み出す新しい鬼神をテーマに据える意欲作である。

  • サウンドは笙・柳琴・中阮・月琴などの伝統楽器を軸に、ジャズ、ロック、エレクトロ、東南アジアや韓国のリズムを取り込み、多言語で歌う多層的な構造が特徴。本稿ではアルバムのコンセプト、代表曲3曲、バンドの歩みやメンバー、制作陣について概説する。

<第1セクション:アルバムのコンセプト>

  • アルバム名『不小心降臨了』は生活の隙間にふと現れる存在を意味し、同根生が従来扱ってきた妖怪・怪異の物語を、今回は人間社会の内側へと向け直したことを象徴している。都市化・情報化のなかで、人は知らぬ間に多くの規範や習慣に縛られ、スマートフォン依存、結婚観、外見へのプレッシャー、消費欲などによって心にを宿していく。それらを新しい妖怪に見立て、ユーモアと観察眼で描いたアルバムである。ここでニューアルバムより『A_Drop(降臨)』をOA。

  • リーダーの楊智博さんは雑誌のインタビューで、この作品を「ついに人間の姿に戻った」と表現し、従来の怪異の世界を借りた表現を、現代人が抱える問題そのものに接続し直したと語る。また、制作の出発点にはメンバー全員が抱えていた先延ばし癖(拖延症)があり、「文明病=魔」として楽曲『拖沙』に強く反映される。伝統楽器の生音とエレクトロ、さらに東南アジアや韓国の祭儀的リズムを組み合わせたサウンドは、ローカルとグローバルの狭間にある現代の心象風景を立ち上げている。

<第2セクション:代表曲紹介>

  • A_Drop(降臨)』:アルバム冒頭を飾る曲で、電子音を主軸に落下の感覚を描き出す。同根生の伝統楽器はここではテクスチャーとして機能し、断片的なメロディーと重なって漠然とした不安を演出。日常に潜む喪失や断絶を提示しつつ、アルバム全体の世界観を象徴する。

  • 『這什麼鬼(何じゃこりゃ)』:結婚後に見えてくるパートナーの知られざる一面を、宗教音楽風の合唱や儀礼的なコード進行でコミカルに描く。家庭の不条理を儀式化することで皮肉を表現し、伝統楽器と電子音の融合が鮮やかに際立つ。ここで『這什麼鬼(何じゃこりゃ)』をOA。

  • 『套牢(束縛)』:台湾で毛小孩と呼ばれるペットとの穏やかな日常を描く曲。軽やかなピアノや弦のアレンジで、束縛を安心や共生の象徴として提示する。笑いと哀愁を併せ持つ同根生のスタイルを代表する一曲である。

  • ほかにも、タイのモーラムを用いた『拖沙』、韓国の祭祀を思わせる『咚咚』、外見への不安を口裂け女になぞらえた『看闊』など、アジア各地の文化と現代の課題を結びつける楽曲が収録され、地域横断的な視点が作品の大きな魅力となっている。ここで『套牢(束縛)』をOA。

<第3セクション:バンドの歩みと制作背景>

  • 同根生は2015年に宜蘭で結成。当初は器楽中心の民族音楽バンドだったが、2022年のセカンドアルバム『邊緣轉生術(Holy Gazai)』で妖怪や民間伝承をポップスに翻案する独創性が注目され、金曲奨最優秀アルバムプロデュース賞を受賞。台湾の新世代バンドとして広く認知されるようになった。新作『不小心降臨了』はその方向性を引き継ぎつつも、妖怪表現をさらに現代人の内面へと転化した挑戦作である。

  • 制作陣にはプロデューサーの柯智豪さんのほか、MV出演に金鐘奨受賞女優の于子育さん、アートワークは金曲奨ノミネートのデザインスタジオ「見本生物」、さらにダンサーのPonayさんDJ/プロデューサー403さんなど、多彩なコラボレーターが参加。伝統と現代文化、ローカルとポップカルチャーの架橋を探る試みが随所に見える。

  • メンバーは次のとおり。6人の専門性が伝統×現代×アジアという同根生独自の音楽世界を支えている。
  • 楊智博(笙):リーダー。倍音の表現力で世界観を牽引。
  • 林琬婷(柳琴/中阮):しなやかな旋律で音の曲線美を生成。
  • 鄭皓羽(Bass):伝統と現代ビートをつなぐ土台。
  • 林喬(Key):編曲とコーラスの中核で、民俗とポップを自在に横断。
  • 游怡婷(Vo):演劇的な歌声で物語に生命を宿す。
  • 陳渝平(Per):アジア各地のリズムを吸収したリズム・ナビゲーター

<エンディング>

  • 『不小心降臨了』は、妖怪や民間伝承を手がかりにしつつ、現代社会に潜む目に見えない圧力習慣化した不安をユーモアと鋭い洞察で描き切った、同根生の新たな到達点である。台湾音楽が次のフェーズへ進むことを示す重要作であり、来年の金曲奨での評価も楽しみだ。

  • 最後に、認知症をモチーフに文明病を描いた“主打歌(看板曲)”『關於劉老七的Q&A』を紹介してお別れ。

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