①「第7位」
「2025 世界のインターネット自由度」の台湾の順位
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このランキングは、米議会が出資するNGOの国際人権団体「フリーダムハウス」が毎年発表しているインターネット上の自由度に関する報告書によるものです。今回調査対象となったのは世界のインターネット利用者の89%をカバーする72カ国で、2024年6月から2025年5月までの1年間を「ネットへのアクセス妨害」「コンテンツの規制」「利用者の権利侵害」の観点から評価しデジタル領域における人権の状況を比較しています。各国を100点満点で評価し、70~100点が「自由」、40~69点が「部分的に自由」、39点以下が「自由なし」としています。
うち台湾は79点で昨年に引き続き世界7位に入り、台湾が調査対象に含まれてから5年連続でアジア首位となりました。自由度が最も高かった国は昨年に引き続き北大西洋に浮かぶ島国で共和制国家のアイスランドで94点、続いて北欧の共和政国家のエストニア、南アメリカ大陸南西部に位置する共和制国家のチリ、中米に位置する共和制国家のコスタリカ、そしてカナダの順でした。
最下位だったのは昨年に引き続き中国とミャンマー。どちらも9点にとどまり、2年連続の最下位という結果でした。ミャンマーの軍事政権は2021年2月、民主的に選出された政府から政権を奪取して以来、ネット上の言論を検閲・監視し、武装抵抗を奨励するオンライン上の言論を取り締まっています。今年1月に施行された新たなサイバーセキュリティ法では、正式な許可なくVPNを構築したり、VPNサービスを提供したりした者すべてに罰金や禁固刑を科すことを定めています。
中国は1998年に政府により設置された「防火長城(グレート・ファイアウォール)」と呼ばれる大規模なインターネット検閲・遮断システムにより、与党・共産党やその政治家に関する批判的な情報や、中国に不利な国際的な情報などを全て遮断しています。
ではアジアの他の国のネット自由度を見てみると、日本は78点で、昨年と変わらず台湾より一つ下の8位、アジアでは2位に。韓国は65点でした。
報告書によると、世界全体で見たネット自由度は15年連続で低下しており、評価対象となった72か国のうち28か国で悪化。最高評価の「自由」に分類された18か国の半数が、前年よりスコアを落としました。そのうちアメリカは前年より3点下落の73点となり、過去最低を記録。トランプ政権がネット上の発言を理由に複数の外国人を拘束したことや、ルビオ国務長官がイスラエルを批判する人物の国外追放を示唆し、司法的な異議申し立てを招いたことなどが要因と指摘されました。ドイツも同様に3点下落し、74点に。フリーダム・ハウスによると、ドイツでは自己検閲が深刻化しているほか、「ヘイトスピーチ」と呼ばれる、特定の人種、性別、宗教などの人に対する差別的な言論や名誉毀損行為を規制する法律の厳格な適用が続いていることが関係すると指摘。トランプ政権はこれまでもドイツの言論の自由に関する状況を度々批判してきましたが、ドイツ側は、ヒトラー率いるナチ党の一党独裁国家時代の歴史を踏まえ、保護措置が必要だと強調しています。
今回、スコアの下落幅が最も大きかった国には、アフリカ東部に位置する共和制国家のケニア、南アメリカ大陸の北部に位置する連邦共和制国家のベネズエラ、ヨーロッパとアジアの境目に位置する共和政国家のジョージアが挙げられ、スコアの下落幅はジョージア、次いでドイツ、アメリカが続きました。
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②「72点」
最新の台湾の子供の主観的生活満足度
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台湾において子どもや青少年の福祉および権利問題に取り組む団体の財団法人中華民国児童福祉連盟基金会は先日、「2025年子ども福祉調査報告書」を発表しました。報告書によると、72点という結果は昨年より4ポイント上昇したものの、2023年の73.5点には届きませんでした。調査対象となった子供の約7割が生活に満足しており、幸福だと感じていると答え、その割合は回復傾向にあるものの、世界の平均と比べると年齢や性別を問わず低めです。特に13歳の女子は48.9点と同年代の世界平均を大きく下回ったことが明らかとなりました。
生活の各側面についてさらに分析すると、台湾の子どもたちは「暮らしている家」に最も満足しており、「友人関係」も概ね良好な結果に。一方で、「容姿」への満足度は最も低く、次いで「自由時間」や「人生の選択」に不満を抱える傾向が見られ、ここから、生活や人間関係は安定しているものの、自己認識や自己決定に不足があることが浮き彫りに。
調査を行った児童福祉連盟基金会は、台湾の子どもは学業からくるストレスも世界より早く現れると指摘。11歳の男子では世界平均を大きく上回る40.8%が学業によるプレッシャーを感じていると答えた他、女子では11歳から13歳にかけてストレスが増加する傾向が強まり、学業からくるプレッシャーがあると答えた11歳の女子は34.5%、13歳では46%に上昇。
さらに、約4割の子供が「自分がいなくても世界は変わらない」と回答。心理的疎外感は過去3年間で最も高い数値となりました。
頼清徳・総統は先月、衛生福利部(厚生労働省に相当)傘下に「子ども及び家庭署」を設立すると発表しており、子ども向けケアを専門に担う行政機関として、医療サービスの強化にとどまらず、子ども一人ひとりの心身の発達を支える役割を果たしていくとしています。
今後、国を挙げた取り組みが推進され、将来の国の主役となり国の宝である子供たちの明るい未来が開かれていくことを望みます。