今週は二つの話題をお伝えします。
一つ目は、台湾で製造・販売されている世界的に有名なウイスキーブランド、その名も「カバラン(KAVALAN)」についてです。カバランは台湾北東部・宜蘭県に本社を構える老舗の飲料メーカー「金車集団(金車(キングカー)グループ)が2008年から発売している台湾初の国産ウイスキーのブランドです。発売からわずか2年後の2010年にウイスキーの本場スコットランドで開催されたテイスティング大会で、カバランのウイスキーが地元の銘柄を抑えて初優勝を果たし世界を驚かせました。これにより台湾が世界における主要なウイスキーの産地として知られることになり、その後2023年までの間、コンペティションで798の金賞を受賞してきました。
「カバラン」とは金車グループの本社ならびに蒸留所のある宜蘭県の昔の名前です。ウイスキーを最初に発売する3年前の2005年に宜蘭の山と海に囲まれた蘭陽平原と呼ばれる平野に蒸留所を建設したのですが、その場所を選んだ理由として、蘭陽平原には山脈からもたらされる、滑らかでキメ細い天然水が豊富なため。この天然水を使用し、原料から製造まですべて台湾で行っています。
また、太平洋の海風がもたらす潮気により、 オーク樽が山と海の自然のエッセンスをじっくりと吸収し、豊かな風味となるんだそう。さらに、台湾の亜熱帯気候がウイスキーの早期成熟に役立ちます。以前は、ウイスキーの熟成環境は冷涼な気候の方が適しており品質が高まりやすいといわれていました。本場スコットランドのウイスキーでは短くて3年、長くて10年以上の熟成期間を要することもあります。しかし、カバランは40度近い温暖気候のなかで、わずか1年間の熟成期間を経て製造されます。今ではスコットランドといった本場以外にもカバランをはじめとする温暖な気候で製造されたウイスキーが評価され始めています。
カバランが世界から高い評価を受けるわけ、他には、カバランはスコットランドや日本の、蒸留所とウイスキーの製造方法を研究して作られており、クリーミーで芳醇な味わいが万人受けしやすいから。このように数々の理由から、世界に認められる台湾史上初のウイスキーが誕生したのです。
そんなカバランのブランドを立ち上げたのは、金車グループの創業者、李添財・董事長(=会長)とその息子の李玉鼎・総経理(=社長)。金車グループはウイスキーの他に、台湾初の缶コーヒーとして知られる1982年発売の「伯朗咖啡(ブラウンコーヒー)」や機能性飲料、炭酸飲料など多岐にわたる製品を製造しています。
李親子、2018年には英国のウイスキー専門誌『ウイスキーマガジン』により、ウイスキー業界に長年にわたり多大な貢献をしてきたとして、業界の最高栄誉である「Hall of Fame(ホール・オブ・フェイム/殿堂入り)」が授与されています。それまでは多くの欧米人が受賞し、中華圏の人が受賞したのは初のことでした。
そんなカバラン、今年で15年の歴史となり、現在は日本を含めた60カ国以上に出荷されています。
また、台湾各地の空港免税店での販売が拡大されており、海外からの多くの旅行者もより手頃な価格で台湾ウイスキーならではの独特な風味を堪能できるようになっています。今年は亜熱帯地域らしいフルーティーな香りが楽しめる初の15年熟成ものも発売されているということで、皆さんも機会がありましたらぜひ、台湾の土地と気候が生み出した豊かな香りのカバランのウイスキー、味わってみてはいかがでしょうか?

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続いても、飲み物に関する話題です。
財政部(日本の財務省に相当)は先月、2026年1月1日より「無糖の飲み物の貨物税を免除」することを発表しました。無糖飲料を輸入する際は、製造元が発行した成分分析報告書や製造工程の説明などの証明書類を添付し、台湾の税関に対して貨物税免除を申請することが必要に。台湾のメーカーが無糖飲料を製造する際は、事前に製品登録を行い、貨物税免除の申請を提出する必要があり、審査を経て要件を満たした場合に限り、貨物税免除での出荷が認められます。
従来の規定では、台湾の政府が定めた規格に適合した100%果汁や100%野菜ジュースといった飲み物が貨物税の免税対象とされていました。そして来年からは「無糖飲料」も免税対象に追加されたのです。
貨物税免除の目的は、国民にとって健康的な無糖飲料をより手ごろな価格で提供できるようにすることで、無糖飲料の購入を積極的に呼びかけ国民の健康促進を図るため。そして、家計の負担軽減にも寄与することが期待されています。
世界を見てみると、イギリス、メキシコ、南アフリカなどではすでに「砂糖入り飲料の課税」政策を実施しており、メーカーに対し糖分を減らしたより健康的な飲み物の開発を促す効果があるとされています。
財政部は来年1月1日からほかに、「テレビ、ビデオ、レコードプレーヤー、ラジオ」の4大家電についても貨物税を免除するとしています。これは4大家電がすでに生活必需品となっている現状に対応してのことです。また、2025年9月7日以降に購入された排気量2,000cc以下の新型小型自動車および150cc以下の新型オートバイについて、それぞれ5万元・2,000元の貨物税減免措置を2030年末まで適用するほか、中古車・中古オートバイの買い替えによる貨物税減免(それぞれ5万元・4,000元)も、施行期間を5年間延長し、2030年末まで実施するとしています。財政部はさらに、新しい冷蔵庫、新しい冷暖房機、新しい除湿機のうち、省エネに特化した製品について、貨物税減免期間を4年半延長し、2029年末まで実施すると表明。これにより、節電・CO₂削減の推進、さらに国民の生活費節約に寄与することが期待されています。
財政部は、政府が引き続き税制を見直し、適切な租税措置を推進していくと指摘。経済的に弱い立場にある国民への配慮を行いつつ、環境にも配慮した持続可能な消費行動の促進、産業支援を通じて、より良い税制環境の構築を目指すとしています。