①「1270万人」
モバイル決済サービス「LINE Pay」の台湾における利用者数
**
スマホでバーコードやQRを表示させるだけで決済ができるLINE Payは、LINEアカウントを持ったユーザーなら基本的に誰でも利用可能な上、手数料は無料。その上、LINEの友だちの口座番号を知らなくても1円単位での「送金」ができたり、複数のメンバーと「割り勘」できる機能があったり魅力的な様々な機能があることで、日本のみならずLINEがよく使われている国、台湾、タイ、インドネシアでもシェアを獲得しました。しかしながら、2025年4月30日をもって日本国内における「LINE Pay」はサービスを終了させています。しかし、視点をアジアの他の国に向けると、LINE Payのサービスは「終わる」どころか、現在も急成長を続けています。
特に台湾においてLINE Payは、単なる決済アプリにとどまらない「国民的な決済手段」となっており、台湾の人口約2,340万人のうち、LINE Payのユーザー数は1,270万人を突破。現地の他の決済サービスを抑え、「国民の2人に1人」が利用している計算になります。
台湾ではキャッシュレス市場が今も成長を続けており、電子決済がほぼ生活の一部となっています。台湾の金融監督管理委員会の統計によると、2025年9月時点で台湾で1人あたり平均1.49個の電子決済アカウントを保有していることが判明。その後1ヶ月間でさらに40万近くのアカウントが登録され、新型コロナウイルス流行中の2022年以降、台湾の電子決済産業の規模は、毎年3〜5%のペースで急速に拡大しています。中でもLINE Payは台湾人の生活圏に広く浸透することに成功したわけですが、その理由はいくつかあります。
まず、「ローカルグルメを楽しめる“夜市”から高級志向の“デパート”までを加盟店として開拓したこと。
特に台湾特有の文化である「夜市」への浸透は重要な戦略でした。クレジットカード端末の導入が難しい個人商店や屋台にとって、QRコードのスタンドを置くだけで導入できるLINE Payはお店側にも客側にもなじみやすく、急速に普及しました。
さらに、2018年にはすでに台湾で普及していた電⼦マネーアプリ「iPASS(⼀卡通)」と資本業務提携を行うという戦略を行い、LINE Payを使った公共交通機関での支払いまで可能になりました。日本では「Suica」と「LINE Pay」が別のアプリとして存在していましたが、台湾のLINE Payは一つのアプリ内で完結させる体験を実現し、この利便性が、若年層や現金使用派のユーザーを一気に取り込む起爆剤となったのです。この徹底した展開もまた、台湾の他社の追随を許さない強さの要因と言えるでしょう。
もう一つ、LINE Payは、台湾を訪れる外国人観光客と海外に行く台湾人にとっても便利な支払いツールとなりつつあります。台湾人にとって人気の旅行先であると同時に台湾を訪れる観光客も多い韓国やタイの決済事業者との連携を強化し、台湾のユーザーが韓国旅行中にLINE Payで支払ったり、逆に韓国の観光客が台湾の夜市でスマホ決済を利用したりできる環境整備を進めているのです。特に、台湾を訪れるインバウンド観光客を取り込むことは、加盟店にとっても大きなメリットとなります。
このように日本でのサービスを終了したことで不便になるかと思われたLINE Payですが、台湾や他の国に目を向けると「アジアの共通決済手段」としての地位を確立する可能性を秘めたサービスへと急成長しているのです。
****
②「67万人」
台湾の在来線・台湾鉄道の2025年度の1日平均旅客数で、2024年度と比べ2.9%増加した数
**
台湾鉄道は昨年6月23日、約30年ぶりに運賃の値上げを実施。値上げ幅は平均26.8%で、値上げ後の平均運賃率は1キロメートルあたり1.42元だったのが1.82元となりました。目的は公共交通の持続可能な発展、そしてサービスの品質向上を確保すること。約30年ぶりの値上げということでそれまでは旅客部門の利益率はわずか0.3%にとどまりほとんど利益が出ていない状況でしたが、値上げ後は旅客者数が増加し旅客収入も増加。運賃調整を6月23日に実施して以降、12月19日までの1日当たりの旅客収入は前の年の同じ時期と比べ1,410万7,000台湾元(約7050万円)増加の平均6,444万3,000元(約3億2,000万円)に。1年間で見てみると、旅客収入は2024年より約26億元(約130億円)増加する見通しです。
昨年は運賃が上がり利益率が上昇しただけでなく旅客満足度も上昇しました。2025年の旅客満足度は83.64点で、2024年から0.87点の上昇となったのです。
というのも2025年に起きた台湾鉄道の事故や運行トラブルは2024年より減少し、1月から11月までの統計では、重大事故が2件で2024年より2件減少、重大事故以外の運行中に発生した事故は38件で3件減少、運行時に発生した異常事案は759件で88件減少。
台湾鉄道は引き続き安全改革を推進するとともに、安全マネジメントシステムの第三者による評価を導入したり、老朽設備の更新や車両の代替を加速することで、人員・組織から設備・環境に至るまで、多方面での改善策を進めていくとしています。
このように、値段が上がった分、より安心して利用できるための体制作りが進んでいますので、皆さんも台湾に来られた際はぜひ台湾鉄道を利用してみてはいかがでしょうか。