①台湾の各自治体で学校給食無償化が進んでいることについて
北部・台北市の蔣万安・市長は今月6日、少子化対策の一環として、公立・私立の小学校および中学校における学校給食を今後全面的に無償化すると発表しました。早ければ今年9月にも実施される見通しで、台北市教育局の試算によると約18万人の児童が恩恵を受け、児童1人当たりの保護者の負担が1月あたり1,000台湾元(約5000円)以上軽減され、年間では1万台湾元(約5万円)以上軽減されると見込まれています。
実は、台湾では県・市レベルで学校給食の無償化を進める動きが、全国的な流れとなりつつあります。現在、台湾22の県と市のうち9地域で小中学校の給食の全面的な無償化が行われています。その地域とは北部・桃園市、新竹県、北東部・宜蘭県、中部・彰化県、南投県、東部・花蓮県、離島・馬祖、金門、澎湖が相当します。
そして、台北市を含めた9地域、北部・基隆市、新竹市、中部・台中市、雲林県、南部・高雄市、台南市、南東部・台東県、北西部・苗栗県では今年からの実施が予定されています。ただ、台北以外ほとんどの地域では私立学校が対象外となっています。
ということで現時点では、22の県と市のうちまだ名前が呼ばれていない、北部・新北市、南部・嘉義県、嘉義市、屏東県のみが引き続き自己負担制を維持しています。
各自治体毎の取り組みに差があることについて、行政院(内閣)の李慧芝・報道官は、「中央政府と地方自治体の財政収支配分を決める《財政収支配分法(財政収支画分法)》により、自治体毎の財源配分に大きな不均衡が生じ、県市ごとの格差が拡大している。その結果、各地の学校給食政策にもばらつきが出ている」と説明。「一部の自治体から中央政府による支援を求める声があるものの、新版の財政収支配分法によって中央政府の財政能力は大幅に弱体化しており、今年度は3,000億台湾元(約1兆5000億円)の国債発行が必要な状況にあるため、地方自治体を支援する余力はない」と強調しています。
子どもへの投資が台湾の未来への投資に繋がります。中央政府は各自治体の声により耳を傾け、各地域の実情に応じた対応を共に進めていってほしいと思います。
****
②台湾北部の3つの都市のうち「中古住宅取引の活発なエリア」
3つの都市とは、台北市、新北市、桃園市のことなのですが、互いに距離が近く交通の便が発達していて互いに行き来しやすいことから、台湾ではこの3都市が一つの生活圏とみなされることが多いです。
そのため現在台湾では、家賃や住宅価格が他の都市より高い台北市ではなく、新北市、桃園市に暮らす人が増えています。
台湾の不動産企業グループ「永慶不動産グループ」は、台湾の政府が発表している情報に基づき、3都市において過去1年間の中古住宅取引が活発なエリアトップ10を発表。(結果、新北市からは7つの行政区がランクイン、桃園市からは2つ、台北市からは1つの行政区がそれぞれ選ばれました。)
3位から9位までは新北市の7つの行政区が占め、その中で新北市の北に位置する淡水区は3位に。近年、淡水区の人口は安定的に増加しており、「淡海ライトレール」と呼ばれる、淡水区の市街地と近年開発が進む淡水区の大規模な住宅地開発地域「淡海ニュータウン」を結ぶ列車の開通で地域内の交通も強化されつつあります。今後、「淡江大橋」と呼ばれる台湾三大河川の淡水河河口部に架ける形で建設中の橋、「淡北道路」と呼ばれる淡水区と温泉で有名な台北市北投区を結ぶ形で建設中の道路なども順次完成•利用開始予定で、淡水地区の生活機能は近年大きく発展しています。台北市中心部からはやや離れていますが、過去1年間の中古住宅価格は1坪あたり平均30.1万元(約150万円)と比較的手頃で、年間1,648件の中古住宅取引があったことで新北市でトップの取引数となりました。4位は新北市の中和区で5位は板橋区。どちらも人口が多く、台北市とも川を隔てて隣接しており、生活利便性が高いため、住宅の需要が安定しているエリアです。
では中古住宅取引数1位と2位はどこだったのでしょうか?
1位は桃園市桃園区で1,774件、2位は同じく桃園市の中壢区で1,696件の取引数でした。1位の桃園区は桃園市の政治・経済の中心で交通の要所でもあり、一方、中壢区は桃園南エリアの商業・交通の中心で、多様な住宅スタイルや住宅地開発計画が進んでいます。
また、桃園市では在来線・台湾鉄道の地下化、桃園市を南北に結ぶMRTグリーン線の建設なども進行中で、この2つの区の住宅取引量を支える要因となっています。実際、この2つの区は桃園市全体の取引量の約半分を占めているということです。
そして最後に台北市中山区が10位にランクイン。台北市内で唯一ランクインした行政区で、1年間の取引件数は878件でした。中山区は台北市の中心部に位置するエリアで、商業活動が盛んであるだけでなく、市内の移動に便利な台北メトロが発達し、生活に便利な施設も整っています。そのため台北市で中古住宅の購入を検討する多くの人々にとって、中山区は依然として最も魅力的な選択肢となっているということです。
「永慶不動産グループ」が発表した過去1年間の中古住宅取引数TOP10を1位からまとめて発表すると、桃園市の桃園区、中壢区、新北市の淡水区、中和区、板橋区、新莊区、三重区、新店区、汐止区、台北市の中山区という結果になっています。